自伐型林業のすすめ(その2)~素人が木を1本切り倒してみる~
前日の座学に続き、今日からは午前と午後の全日ヤマ作業。
予告どおり、伐倒をするらしい。
でも、その前に。
林業家の仕事道具、チェンソーは使う前にメンテナンスが必要。
最も重要なのが「目立て」。のこぎり等の刃を研ぐこと。
細い棒やすりをチェーンの刃の角度に合わせてこすると鉄粉が落ちて研げる。
これをすべてのチェーンの刃先にかける。
切れ味が作業効率を上げるのだ。
ほかにも燃料注入、溜まった木くずの分解掃除もやる。
本来は、一日の作業が終わってからこれらを行うのが理想だけど、
今日は講習、デモンストレーションということもあって、メンテナンスの場を用意してくれていたのだ。
チェンソーの世界は奥深い。僕らが入る山々のように。
昨日玉切りした木を使い、全員で斜め切り、水平切りの模擬伐倒を体験して午前終了。
午後からはいよいよ伐倒のために山奥に入る。
既に伐る予定の立木にはテープが貼っていて、講師から伐倒の説明を受ける。
伐らないで活かす木、伐っておく木。
木を、森を育てるための目利きがそこにあった。
いきなり伐倒は危険なので、講師がデモンストレーションで刃を入れる。
立木の伐倒は、倒したい方向を狙って切り口を入れ、一発で倒れなければ専用の「くさび」を反対側の切り口に入れたり、木の上部にロープをかけて人力で「えいやっ!」って倒したりもする。
それでも、「掛かり木」といって他の木に引っかかったりもする。
これも、場の条件によってはアリなのだ。
作業道をふさいでしまうと大変だからね。
倒れる瞬間!地響きがする。
受講生がいきなりコレをやるのはハードルが高いこともあって、倒れた木の枝払いをやる。
製材にするには、分岐した枝を切っておく必要があるし、作業スペースを確保するために余計な枝や草を払っておかないといけないから。
枝払いは、状況に合わせていろんな角度に立ったりチェンソーを向けたりしないとうまく切れないし危険だから、これも技術が必要。
奥まで切り進むと、木の重みでチェンソーのバーが挟まるので、切断直前は慎重に作業しないといけない。
上から切り進めたら、下から刃を入れる。
ただ僕は当日、なぜか朝4時に目が覚めてしまい、午後には眠気もさしてきたものだから、
僕は午後はチェンソーを握らず、作業道具の運搬。
そのかわり、次回僕は枝払いをやるのだ。
一日の作業のあと、目立てをして終了。
慣れない作業、ひとまずお疲れ様です。
今日の山のおみやげは「クロモジ」という木。切り口がよい香りがする。
北海道南部が自生の北限らしい。
「和ハーブ」の一種でもあり、枝を加工して爪楊枝に使ったり
葉っぱは乾燥してハーブティーにしてもよいそうだ。
半日置いてしまったから、急いで洗って乾燥して、爪楊枝とハーブティーを作るのに備えたい。