自伐型林業のすすめ(その4)~いよいよ切り倒すぞ!~
今週のミッションは「受講生が一人一本切り倒す」。
昨日は午前中に枝払いとか切った材の運搬など、結構な重労働をしたせいか、お昼休みに昼食に家に戻ったら左腕がしびれていることがわかった。
そのせいで、僕の伐倒の出番は明日にお預けにしていたのだ。
さて当日。朝9時。いつもの集合場所。
作業開始の目立て(刃を研ぐ)から始まり、簡易ベンチを作るのに一本の木を縦に切る。
これは玉切りより難しい。
丸太の真ん中に刃を当てて縦に切り進めるのだけど、そもそも安定しない。
中心から反れないように集中して刃を入れて、ある程度切ったら次の人に代わりながら共同作業で一本を切る。
これから伐倒。山の斜面に入る。
自分が切りたい木は、前の日に山を見て、テープを貼って目印にしていた。
作業開始。足場を固め、倒す方向を決める。
エンジンをかけたらV字型に刃を入れ、反対側から水平に刃を入れ、木の直径の10%くらいを残すところまで切り進める。
この時点で少し木がグラグラするので、くさびを入れたり、ワイヤーをかけたり、逃げ場を確保したりして倒れるまでの時間を稼ぐ。
切り倒した木は、材にするために枝払いをして、1.8mくらいに玉切りしてから山元まで運搬する。
集材機のウインチワイヤーを使ったり、えっさえっさとみんなで丸太をかついだりして、一か所に材をまとめておく。
僕の伐倒作業は、ほんとに必死だった。
一連の作業が終わるまで、30分はかかったと思う。
余裕がなかったから、頻繁にエンジンを止めたり入れたりしてガス欠になってみたり、玉切りのときにチェンソーのバーが地面の土に当たったり、汗だくものだった。
これが慣れれば、周りを見渡すくらいの余裕もできるんだろうな、って感想。
今日は午後から雨☔の予報だったので、講師の腕の見せ所「突っ込み切り」を午前中に実演。
突っ込み切りは、大径木(太い木)を切るための技術の一つで、チェンソーのバーを正面から突っ込んで隙間を作りながら倒していく方法。
切った木が縦に裂けるのを防ぐために芯を切っておく意味があるらしい。
さっきまで大仕事をしていた僕は、既に腰が立たなくなっていて、実演を遠目に見ながら物思いにふけていた。
やれやれ。
午後1時。ここで雨が強くなってきたので今日は終了。
次回は来月、2週連続で作業道を造る講習をする。
講師は、奈良で吉野杉を守り受け継ぐ活動をされている方で、この世界では有名な方、らしい。
有名人が来るとのことで、ニセコの活動団体もスタッフとして来られる、とのこと。
ユンボとか重機もお出ましになると、いよいよ本格的になる感じ。
林業という一次産業の一翼をひしひしと感じられそうな、そんな気がする。