木の仕事の第一歩、皮むき作業。使う工具もいろいろ。
移住後初めての木の仕事。
親方のもとで働くようになって1週間が経ち、出荷に追われて地元のおばちゃんも総出で収穫していたルバーブの作業にも一段落がついた。
その合い間を見て、親方の指示でアシスタントの方と一緒に、庭木の伐採処理の現場に出向いた。
現場のあるこの町でも目を見張るほどの立派な庭園。
ここで親方が先日庭木の伐採をして、伐った枝を回収するためにトラックに積み込む作業を手伝った。
このユニック車1台で全部積めるのかな?と半信半疑だったけど、足で踏み固めたり、チェンソーで適度に枝を伐ったりして、ロープで縛りつけて何とか積み込むことができた。
話によると、親方はこの町周辺では重機や製材機などをたくさん持っているから、仕事の依頼を結構受けているらしい。
山仕事だけでなく、庭仕事や畑仕事、大工仕事、そして便利屋的な仕事もこなしているようだ。
そして、依頼主も地元の名士さんなのか、富裕層な感じもした。
お金持ちを相手に仕事をしているからか、それとも親方の長年の仕事への姿勢がお金を産むのか。
いずれにせよ、働き方、稼ぎ方を考えさせられる一面でもあった。
「皮むき」って、何するの?
別の日には、親方の所有する木工場での樹皮の皮むき作業も手伝った。
北海道内の某所に山を所有する方が、現地に東屋を造りたいという依頼を受けて、既に伐ってあったカラマツ材を4人がかりで樹皮をむく、という作業。
皮むきは製材の第一歩。
単調そうだけど、本数も多いとやはりしんどいものだ。
丸太はとにかく重い。
人手で転がせないような重い材を転がすためには、棒の先端に鉤のついた「鳶口(トビ)」を使う。
鳶口(とびぐち)とはトビの嘴(くちばし)のような形状の鉄製の穂先を長い柄の先に取り付けた道具[1]。長さ1.5〜2mほどの木製の棒の先に、名前の由来となったトビの嘴の様な金属製の金具が取り付けられている。
用途
丸太や原木など木材の移動・運搬・積み上げや[1]、木造の建築物の解体や移動(曳家)に使用される。江戸時代には、鳶職を中心に組織された町火消の消防作業に用いられ、鳶口で出火した周りの建物を引き倒すように破壊して火事の延焼を防いだ[2][3]。現代の消防操法の大会や鳶職の梯子乗りでも道具として鳶口が使用される[4][5]。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
そしてもう一つ、形は見たことがあるけど名前を知らない工具があった。
それが「ガンタ」。
親方から「ガンタを使いなさい」と言われて、この工具がガンタと呼ばれていることを始めて知ったのだった。
重機や電動工具ばかりではない、昔ながらの大工道具もふんだんに使いながら、製材の第一歩を歩き始めた。
さて、皮むき。
このヘラみたいな工具は「ケレン棒」というらしい。
本来は塗装をする前に壁など施工面に付着した汚れや錆を落とす下処理に使うものらしい。
樹皮もこれで剥ぎ落せる。
もう一つ、皮むきに使う工具が、1.5mほどの長い柄のついたコレ。
皮がバリバリと面白いように剥がれていく代物。
これも伝統的な大工道具だろうから、何ていう名前がついているのかな?
「木の皮ムキ」。
そのままじゃないか!!
まあ、今日が初めての木の仕事だったわけで、工具を使いこなし、材を動かしたりして現場の感覚を身体に覚え込ませることから始まる。
親方は技術は見て盗め、のタイプで、理論派とは違いそう。
この先はとても長そうだなあ。