小屋作りワークショップ(その4 屋根と板張りで完成!)
片道1時間半かけて通った小屋づくりも、最終日の4日目となった。
完成まで一息。
はじめに内装の説明を受ける。
屋根ができたから暗く感じたけど、これで建物としての箱ができた!という安心感が何より。
内壁の仕上げがないから、柱や梁がどう組み立てられているか、一目でわかる。
同時に、外から打った釘やビスが柱からはみ出ていないかも確認できる。
明らかに外した釘やビスはなかったようだ。(大工さんが取ってくれてたのかも?)
材を組んだ屋根の姿を見て感動する一方で、僕は窓枠の組み方が気になっていた。
窓枠の上部に、横に補強した材を取り付けている。
これを「まぐさ梁(はり)」と呼び、屋根の荷重を分散させる意味を持っている。
イメージとしては、窓枠の下のほうが重力がかかるから補強するのかな、と思っていたところ、これが意外だった。
そして、この「まぐさ梁」は、ツーバイ工法でこそ荷重を受けるのに重要、らしい。
積雪地帯では、屋根に積もる雪の重みというのは無視できない。
屋根や基礎じたいを強化するだけでなく、こうした造作にも荷重を逃がす工夫がされているのも、大工仕事をリスペクトする理由でもある。
屋根にも防水シートを張る。
屋根の下地(野地板)を張った後、トタンを張る前段階として、防水シートを張る。
このシート張りを「ルーフィング」といい、屋根の雨水を室内に漏らさない意味で、外壁に張った防水シートよりも頑丈なものを使う。
黒っぽくて厚みのある粘着シートだけど、一度間違えて貼ってしまうと剥がしづらい。
そのため、受講生みんなでシートの上と下に手を当てながら、気泡が入らないように慎重に張り付け作業をした。
ルーフィング張りが終わると、いよいよトタンを張る。
いかにも屋根!らしい波板のカラートタン。
数十センチ幅にカットされた波板を、端の凹凸を合わせて重ねながら釘で打ち付けていく。
その釘というのが「傘釘」と呼ばれる、キノコ状に丸い傘がついた独特の釘。
これを凸面に打っていく。
みんなの共同作業で、屋根のトタン張りまで終わった。
最後は外壁を仕上げるのみ。
下見板張りという壁の仕上げ方
茶色く塗ったたくさんの板がある。
これを外壁に張るのだけど、ただ平行に並べるわけではない。
これは「下見板張り」といって、板を少しづつ重ねながら張っていく工法。
雨水が入りにくくなるようにする工夫で、昔の住宅や納屋などで多く見られる。
ただ、現在では防火の関係もあって、サイディングが主流となっているらしい。
講座最後の人海戦術で、みんなで一斉に板をビス留めして、ひとまず小屋が完成した。
めでたしめでたし。
ガラスをはめたり内壁の加工など、大工さんやボランティアさんの作業は残っているものの、形となるものができて、4日間の講座の結晶となる。
これまでのワークショップで建てられた数々の小屋たちのその1ページに、僕たちが作った小屋も記録され、後々の記憶となって積み重ねられていくのだろう。
小さな小屋だけど、これは大仕事だったのかもしれないね。
【感想】
去年の自伐型林業研修と並んで、密度の濃いワークショップでした。
外での講習、作業というのが頭ではなく手と足を使うということが、技術を身体に叩き込む意味で内容がしっかり入り込んでいることが実感できました。
これを反復していくことで、技術が定着して、結果として知識がついていく、そんな気がしました。
このワークショップ受講を機にホームセンターで買った工具を使い、自宅の家具の解体、木の折りたたみテーブルを棚に改造したりしました。
また、当地でお世話になっているフリースクールの主宰の方から看板づくりの講座をやってほしいと依頼も受けて、子どもたち向けに100均で買った板材や塗料だけで看板を作る機会もいただけました。
このような機会に恵まれるよう、これからも継続していきたいという想いです。