フリースクールで看板作りDIY。想像とは違った一面も。
僕たちが移住を考えたきっかけとして、小学校に上がる娘の学びの場、コミュニティの場の確保、というのがとても大きかった。
願書を出していた「自由な学校」には入学できなかったけど、学区の小学校とは違う新たな居場所を見つけたい僕たち家族は、市内でフリースクールを立ち上げたママさんがいるとの情報を受けて相談に行き、早速このスクールのお世話になることになった。
それが5月の初めのこと。
スクールは週3回。
自習時間のほかに、地元のボランティアの講師を招いて料理やハンドメイド、地元の保育士さんや大学生ボランティアの応援もあって、徐々に活動の基盤を強くしていっているのが心強い。
新聞の取材も受けたり、いまはNPO法人化を目指して健闘中ということもあって、僕たち家族も積極的にコミットするようになっていった。
そんな中、その主宰するママさんから僕に、
「看板をつくるDIY講座」
を開けないか、依頼があったのだった。
僕でいいのかな?DIYに慣れている人ではないし・・・
僕のイメージから、畑の人というよりはDIYの人、という感じなのかな?
突然の依頼ではあったけど、頼まれた以上はしっかり準備はしたいものだ。
作るイメージ、必要な材料や道具など、事前に打ち合わせした後、早速市内のとある100均へ。
縁にも木を貼り付けていて、更に麻ひも。これはしっくりくる。
ここに直接字を書けばちょっとした看板に使えるだろうけど、施設の看板としては小さすぎる。
縦横これの2倍は欲しいなあ。
別の100均へ。
50cm×25cmの板材が売っていたので、これを使いたい。
あとは縁取りに角棒と塗料、その他道具があれば作れそう。
打ち合わせから、材料を切ったり塗ったりする班と、デザインする班とに分けたほうがよさそうと思い、作業工程をざっくりまとめた資料を1枚作った。
看板づくり当日。
小屋づくりワークショップに参加するために、いろいろ工具を買いそろえていたタイミングだったから、渡りに船。
いつも使っているコンテナに工具と材料を入れてGO!🚙
そして朝10時、スクールに到着。
ん??
始まる気配がないなあ??
工作をする班と、裏の林から枝葉を集めてくる班と分かれて動いてほしいのに・・・
「始めますね!」の号令もなく、子どもたちはおもちゃやゲームで遊んだり、本を読んだり絵を描いたり。
何か、僕が意気込んでいたのと違うような・・・
そうか!💡
「フリースクール」とは、学校で傷ついた子どもたちが安心して過ごせる「居場所」なんだ。
先生がいて、決まった時間に授業を受けるというスタイルは、学校を連想させるからダメなのかもしれない。
学校チックではない、自分が好きなことをしながら過ごせる空間が必要なんだ。
これがいつものスクールの日常、いつものスタイルなんだろう。
そんな雰囲気を感じながらも、持ってきた材料と工具と資料をテーブルに出す。
でも、子どもたちはあんまり関心を持ってくれていないようだ。
結局、「DIY講座」は娘とマンツーマンで木に印をつけてカットする作業となったのだった。
1時間くらい経って、途中から10歳くらいの男の子がお母さんと一緒に色塗りに加わったけども、その子も何だか表情が曇っている感じだった。
学校について、親について、他の子どもたちについて、そしてこの社会について、どんな想いを抱いているのか。
そう思うと、光と影が見え隠れして、僕もちょっと複雑な想いになったのだった。
この日は授業をする、という雰囲気ではなかったので気持ちは楽ではあったけれども、拍子抜けする面でもあった。
それはフリースクールという空間が学校的な空間とは違う、ということを再認識させられた一日でもあった。
不登校を考えるときにベースになる「教育機会確保法」という法律が制定されています。
従来の学校に復帰させる前提ではなく、学校以外でも多様な形で学びの機会が確保されるように、という考え方に立っています。