末端公務員が考える移住(実践編)~夫婦で農作業なのかな?~

木こりのお爺ちゃんの次の日は、町内の役場で就農相談。
北海道で新規就農を希望する人は多いはずで、たいていは役場の農林課とか農協などに出向いて相談するのだけど、この町では農業振興公社を設置していて、就農にかかる相談を一手に引き受けるワンストップ窓口になっていることから、僕も事前にアポをとっていたのだ。
農業人口や収穫量も多いだろうから、土地とか受け入れ農家とか見つかりそうだな、と期待しながら1時間の相談だった。
家族でお越しください、と事前に言われていたけど、娘も疲れがたまっていたせいか、相談は僕一人で。
アンケート用紙に現在の住所、職業、作りたい作物、希望する就農の形態(独立か就職か)などを記入して提出。
そこで、相談を受けた感想を総合すると、
・独立農家をするには夫婦で協力して経営するのが前提。
・独立するためには新規就農の研修期間が要るが、受け入れ農家の調整が必要。
・研修を希望する前に、まず地元の農家さんと顔つなぎの意味で農業体験が必要。数日から数週間まで受け入れ可能。
・町内には大規模の農地の空きはなく、広大な土地が必要な稲作は難しい。
・新規でやるとすれば小規模の農地での野菜栽培になる。野菜は多種多彩な作物を栽培している。
・研修→独立というステップを踏むほかに、農業法人に就職してサラリーマン農業をやる人も最近主流になっている。
・農業を志すのであれば、まずは短期の農業体験から始めてほしい。公募はしないので、来春4月以降で希望の時期を連絡してほしい。連絡を受けたら地元農家と調整する。
北海道に移住して農業を志す人は「農家として生きる」ことを第一にしているはずなので、いろんな自治体や農協などに手あたり次第出向いて、条件がマッチするまで道内いろいろなところを相談、体験しに行っているのだと思う。
ただ我が家の場合は、農家をやりたいというのは実は第一ではない。
娘の自由な学校のことがあるから、学校に近い町に住むこと、そして農家ではなく農的な暮らし、一次産業中心の暮らしをすることが狙いなので、農家をやるという選択肢は外れたような気がした。
というのも、今年は家族で春に米農家で育苗作業、秋に自然農法家で稲刈り作業をしに行ったけど、夫婦で同格の農作業をするというイメージが我が家では湧かなかったのだ。
妻は流通とか販売をやりたいというのが第一だから、ネット通販を含めてどう販路を広げるか、アピールするかのほうに主眼を置いたほうが得策だな、と思えただけ、この1時間の相談には価値があったと思っている。
そうなると、収入源は別の手段として、小さな畑を確保して「菌ちゃん農法」で自給農をする、というのが現実的かもしれない。
選択肢が絞れてきたことで、いよいよ移住も現実味を帯びてきたかな。