寝転んで港を眺めながら、公共事業に関わったあの日を回想してみた。
僕のいた職場では、港の施設管理の部署に配属されていたこともあった。それが5年前。
岸壁とか防波堤を国が造って、造った施設を港湾管理者(自治体など)に引き渡して管理してもらう、という仕組みをとっているけど、その管理者と一緒に岸壁などの施設の点検に巡回することもあった。
特に地震や高波などが起きた後は、施設に異常がなかったかを一定のルートで緊急点検をして、上部機関に報告する、ということもする。
こうして常に安全性を維持し、危機管理をしているのも役所の役目なのだ。
あと、国際船、旅客船や貨物船などが入港してくれば、厳重な保安体制が敷かれる。
そのときに実際に警備するのは港湾管理者から請け負っている警備会社だけど、侵入を防ぐためのフェンスなどに異常がないかも定期的に巡回して点検するのも、その部署にいたときの僕の役目だった。
それも、異常があれば写真をとり、記録をとり、日誌をまとめて上部に報告する。
そんな仕事もしていたなあ、と思い返してみた。
こういった港内を、巡視船で目視して何か異常がないか点検し、異常があれば着岸させて写真を撮り、上部に報告する。
復旧の手段、方法などは技術の職員が行う。
こうした仕事もやりがいなのかな、と思っていたけど、今は価値観が変わってしまった。
ホントに危機の時には、このままでは逃げ場がないのではないか?
そう思うと、やはり動かねば、という生存本能が僕の身体を駆け巡ったのだった。
観光名所を眺めながら、何のためらいもなく、何も考えずに地べたに寝転がれる僕は、ホントはアウトドア派なんだなあ、って思った。