ルバーブ農場奮闘記~畑に訪れる春の息吹を感じながら雪を融かす~
移住して最初の冬は、自分を内省しながらこれからの方向性を決めていく時期だった。
そうこうしているうちに季節も春を迎え、4ヘクタールの広大な畑一面に育つルバーブのつぼみを眺めながら、日陰に残っている雪を融かしていく作業をする。
無農薬で有機栽培でやっているため、もちろん融雪剤は使わない。
雪の下に埋もれた雪をスコップで掘って、白い雪原に広く薄く土を撒いて雪融けを促す。
あと1ヶ月半でルバーブの収穫に入るので、それまでの準備は僕と親方の仕事。
これだけの広さの畑だから、地道に土を撒くのも一苦労だった。
とにかく土が濡れて泥々。歩いて進むのも大変だった。
スコップで掬った土も泥々で重い。
それでも自然の力で雪を融かし、太陽の恵みで生命力の強いルバーブが育つのを、2年目の僕はただ待つのであった。